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中部の教育
■23部 学校づくりと「評価」

(2)運営指標にマニフェスト

外部講師積極的に招く 指導方法見直す機会にも


地域の養護老人ホームの介護福祉士から認知症の話を聞いた3年生の授業

 学校運営に評価システムを取り入れている愛知県高浜市。翼小学校(片山正巳校長、656人)でも毎年、「学校づくり構想」を公表し、教職員たちの自己評価、学校評議員たちの評価を構想の更新に役立てている。

 今年度は、「構想」に代え、「学校づくりマニフェスト」として7項目を掲げた。「地域ぐるみで子どもを育てます」「子どもたちに多くの出会いを体験させます」は重点2項目だ。

 同校は開校以来、社会人講師の招へいや学校支援ボランティアとのかかわりを大切にしてきた。企業の立場から環境問題に取り組むシャープの担当者、気象予報士による地球温暖化を考える講座、県陶磁資料館学芸員による焼き物教室、大学教授による算数の達人授業。これまでに多くの社会人講師が訪れた。

 今年度は「命を大切にする心を育(はぐく)む教育」にも全校で取り組み、全担任が保護者や地域の人たちをゲストティーチャーとして教室に招いた。地域の介護福祉士が3年生の授業で、夜を昼だと思って歩き回る認知症のお年寄りの話をした。驚きの声をあげた児童たちだったが、認知症のお年寄りたちを招き、「ふれあう会」を開いた。

 昨年12月には名古屋から「いのちをバトンタッチする会」代表の鈴木中人(なかと)さんに来てもらった。体育館に集まった5、6年生や保護者ら約320人を前に鈴木さんは、6歳だった長女景子ちゃんを小児がんで亡くした体験を語り、命や家族のきずなの大切さを訴えた。

 「前向きでくじけない景子ちゃんはすごいと思いました」「弟や妹が死んだらどれだけ悲しいだろうと思って、いつもよりやさしくしてあげました」。児童たちが鈴木さんに書いた手紙には感動があふれていた。

 開校から5年間、翼小の校長を務めた伊沢光二・西尾市立西尾中校長(58)は、「学校評価を、開かれた学校づくりと同時に進めようと心がけた」と語る。教員が社会人講師や学校ボランティア、地域の人たちと交流することは「自らの指導方法を見直すことにもなり、学校評価の機能を持つ」と考えたからだ。

 翼小では学校を支援する親たちの活動も活発だ。オリンピック(運動会の地区競技の計画、運営)、ブック(図書整理)、ペン(広報誌発行、ホームページづくり)、土曜クラブ(土曜日に児童ができるクラブ活動を計画)など6グループのほかに、読み聞かせボランティアグループなどもある。「タマゴ先生」と呼ばれる教員志望の学生たちも授業の手伝いに訪れる。

 教職員は保護者や地域の人たちの思いや学校への期待を痛感することになる。出入りする人たちが学校での体験を外で語ることで、学校の情報もどんどん地域に広まっていく。

 片山校長は「翼小の特色は、やったことをホームページやブログ、学年だよりなどで全て公表することだ」と語る。教職員の自己点検結果もブログで紹介しているし、学校評議員会の様子も写真入りの報告書にまとめられ親たちに配られる。

 同小の学校評議員は会社経営者、商店主、校医、学校支援ボランティア、保護者代表ら8人で構成。「子どもに学力をつけるための指導に力を入れているか」「改善、挑戦に気風はあるか」など学校に対する13評価項目のうち、1人が1〜3項目について、達成度と自由記述の評価シートを作成し、10月と3月の学校評議員会で報告する。校長らとの面談による意見交換も随時行われている。

 学校評議員  地域住民の学校運営への参画を制度的に位置づけるため2000年4月から導入された。文部科学省によると05年度の設置率は小学校83・7%、中学校84・5%、高校91%。


2008年2月20日  読売新聞)
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