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視覚障害者の社会復帰支援 移転で再スタート

TDL 中部盲導犬協会内へ

 視覚障害者の社会復帰を助ける施設「TDL(テクニックス・オブ・デイリーリビング)本郷」(名古屋市名東区)が7日、中部盲導犬協会(同市港区)内に移転し、再スタートする。

(増田知基)

訓練 自立 交流


自作の編み物を見せる大橋さん

 同施設は、愛知視覚障害者援護促進協議会(愛視援)が19年前に開所し、延べ約1万5000人の視覚障害者が利用してきた。しかし、施設が老朽化したため、移転先を探していたところ、同様に視覚障害者の支援をしている中部盲導犬協会の協力を得ることができた。

 TDL本郷では、指や肌、耳など視覚以外の感覚を使って、ワープロで年賀状を書いたり、天ぷらを揚げたりするなど日常生活ができるように「視覚代行リハビリテーション」と呼ぶ訓練をしてきた。視覚障害者の自立心を育成し、視覚障害者同士の交流などができる。市内の主婦ら約20人が「視覚代行リハビリワーカー」として、利用者の指導、サポートを行う。先月26日に本郷の施設を閉じた。

 TDLの利用者の一人、名古屋市天白区の主婦、大橋ヒサエさん(67)は2歳の時、高熱を出して失明した。「編み物がやりたい」という願いがあったが、編み物教室に「盲目の人には教えられない」と断られ、あきらめていた。しかし、50歳過ぎに、知人の紹介でTDL本郷の編み物教室に参加。バスと電車を乗り継いで週3回、自宅から1時間以上かけて通った。初めは編み針を持つ手さえおぼつかなかったが、リハビリワーカーの助けもあり、今では「娘にカーディガンやセーターも編んであげられる」と自慢するほどの編み物上手になった。

 高柳泰世・愛視援理事長(77)は、「こうした施設は全国に類を見ない。ボランティアを増やし、さらに多くの利用者を支えたい」と意気込んでいる。

 大橋さんも「光は見えなくても、今私の生活は明るい。TDLにできるだけ長く通いたい」と話した。


2009年9月2日  読売新聞)
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