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「失敗 忘れるしかない」

フィギュアスケート女子 浅田真央さん


ロシア杯のエキシビションで華やかな演技を披露した(10月25日)=尾賀聡撮影

 フィギュアスケートはグランプリ(GP)シリーズが開幕、来年2月のバンクーバー五輪を目指す戦いが始まりました。GPシリーズは全6戦の成績上位6選手が来月のGPファイナル(東京)に出場でき、日本選手はここで、最上位で表彰台に上がった選手だけが五輪出場の内定を得ることができます。妹の浅田真央選手(19)は第1戦のフランス杯が2位、第2戦のロシア杯は5位に終わりました。フランス杯は現地で観戦しました。競技のことはわかり合っているので、ふだんはたわいない話ばかりですが、今回は競技のことも聞いてみました。

 ――GPシリーズの結果はやっぱり、落ち込んだ?

 真央 うん。でも、大丈夫。迷っていることがあるわけじゃないし。

 ――真央にだって、失敗はあるよ。これまでだって、調子がいい時ばかりじゃなかったし、失敗したことは、もう忘れるしかない。

 真央 うん、そうだね。精神面の問題だけだと思う。次、頑張ればいい。それしかない。

 ――小さい頃、真央と初めて一緒に出た試合でも、5位だったじゃない。

 真央 そうだった。思い出した。

 ――あの頃と同じ。振り出しに戻ったと思えばいいじゃない。

 真央 そうだよ。また、スタートラインに立ったと思って、一からやり直しだね。そう、思って頑張ろうっと。


遠征先でくつろぐ真央さん

 ――フランスはどうだった。

 真央 クロワッサンがすごくおいしかった。

 ――よかったね。ホテルの朝食のこと?

 真央 そう。3つも食べておなかいっぱいになった後に、焼きたてが運ばれて来たの。もう、すごく残念だった。焼きたてを食べたかった。

 ――焼きたてが来るまで、クロワッサンだけ食べずに待っていたら、よかったね。

 真央 そうだね。(愛犬のトイプードル)エアロとティアラ、小町に会いたかった。会えなくて、さみしかった。

 ――ロシア杯の後、マスコミの人に、いろいろ聞かれた?

 真央 うん。でも、終わったばかりで、よくわからなかった。

 ――なぜ失敗したんですかってまた聞かれたら、あなたはどう思いましたかって、聞いてみたら。

 真央 いろいろな人の意見を聞いてみるのは、大切だからね。



 浅田真央(あさだ・まお)
 1990年、名古屋市生まれ。2008年の世界選手権優勝。2006年から全日本選手権3連覇中。昨季のGPファイナルのフリーの演技で、国際大会では女子初の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を2度成功させた。


真央のドラマが始まる

 ふだん、真央と試合の話はほとんどしません。買い物や二人ではまっているおいしいお菓子、お取り寄せの話が中心です。真央は海外にいる時間が長いので、日本のお菓子が手に入ると、一つひとつ本当に大事に食べているようです。

 さて、真央のシーズンが始まりました。毎年、真央には真央しか経験できないたくさんの喜怒哀楽があり、そのたびに大きくなると感じてきました。真央はいつもつらい時を乗り越え、感動を与えてくれます。私はそんな真央を、雲の上の存在のように感じる時もあります。

 今シーズンの滑り出しは出遅れましたが、曲やプログラムには満足しているので、不安はないと思います。けがだけはしないよう、前だけを見続けてほしいと願っています。真央は、見た人に大きな感動を与えることができるスケーターです。真央のドラマが始まる――。私はそう思っています。

 浅田舞さん
 1988年、名古屋市生まれ。21歳。中京大学3年。7歳で妹の真央選手とスケートを始め、国内外の大会で活躍している。


2009年11月8日  読売新聞)
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